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てげてげブログ
2011-06-09

299)老い

  昼休み、時折、近所の本屋をぶらつきながら、目に付いた本を何冊かまとめて買ってきます。殆どが文庫本か新書本、単価が安くて、持ち運び便利な軽量本です。数日前には、曽野綾子の「老いの才覚」と佐藤愛子の「老い力」を選んでいました。70歳を目前にして、老いを気にし始めた証拠なのかもしれません。

  今朝、電車の中で開いた「老いの才覚」。そこまでは割り切れないな、とか自分にはそれは出来ないな、というような記述も少なくはありませんでした。著者の曽野さんは私より11年先輩、それだけ長い人生を歩んでいらっしゃいます。その年になったら私も変わっていて、同調できる部分がもっと増えるかもしれません・・・。
  勿論、なるほどと感じ入る内容も沢山ありました。今朝読んだ中から二つほど転記してみます。

  『老年は、一つ一つ、できないことを諦め、捨てていく時代なんです。執着や俗念と闘って、人間の運命を静かに受容するということは、理性とも勇気とも密接な関係があるはずです。諦めとか禁欲とかいう行為は、晩年を迎えた人間にとって、すばらしく高度な精神の課題だと私は思うのです。』

  『自分にとって何が大事なのかを見きわめて、いちばん大事なことから順序をつけてやっていく。だいたい五つくらい決めてあっても、上位の二つくらいできればいいほうです。三つできたら、すごく幸せで、あとはさらりと諦める。年をとるとともにそれがうまくなって、やり残しがあっても嫌な気がしません。・・・・・そういうふうにして、私は、まあ、ほどほどに生きてきました。』

  あと何年生きるのかを知りません。しかし年々老いてゆくことだけはたしかです。周囲に迷惑をかけずに、さらりと美しく老いたいものだと思います。(2011.06.09)

  
  

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