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てげてげブログ
2009-10-19

95)秋の色 2009.10.19

  事務所いっぱいに広がる大きな窓。窓の上半分を占める空の色が澄んだ秋の色になった。浮かんだ雲も、天女の衣のように薄くて軽そうだ。窓の下半分に広がった、街路樹の大きな欅(けやき)の葉が秋色を帯びてきた。もうじき葉をみんな落として寒空に裸の姿を晒すことだろう。
  とここまで書いたところで、半分は想像である。私には空の色は判るが、欅の葉の色は判らない。今が本来の緑色なのか、赤く色づいているのか、よく識別できない。多分もう色づいている頃だろうと想像して書いている。

  小学生の頃の色盲の検査-----あのゴチャゴチャした色の点で書いた文字-----他の子供には読める文字が私には全く判らない、反対に他の子供には読めない文字が私には読める。それで初めて自分が、赤緑色弱(私の場合色弱の程度が高く色盲に近いようだ。)という色の識別が出来ない子供であることを知った。

  普段の生活に特段の影響があるわけではないが、時々それが顔を出す。子供の頃、絵を描くのが好きだったし、上手かった。しかし時々先生から、独特の色使いだね、と言われた。自衛のために出来るだけ山や樹木は描かないようにした。やむをえず描く時は「木は緑」と頭に刷り込んで「みどり」のチューブから色を出した。
  また社会人になってから思い立って数年間油絵の教室に通った。いくつかの展覧会に入選したりしたが、最後はやっぱり色彩に悩んで止めてしまった。色弱がなかったら、今でもまだ田舎のアマチュア画家として好きな絵筆を握っていたかもしれない。
  大学進学の時にもそれが顔を出した。数学や理科が好きだったので、普通なら当然理系の学部を選んでいただろう。世の中には色の識別が出来ないと支障のある職業が色々あるらしいということを聞いていた。それならというので、無難な文系の学部を選び、そして今の職業がある。幸せだったのか不幸せだったのか、それは分からない。
  服を選ぶ時にも顔を出す。とんでもない色彩の組み合わせになりそうな恐れがある。だから一緒に行った妻に聞いたり、店員さんに聞いたり、周りの人に選んでもらっている。

  だからと言って信号の色が分からないわけではない。ああいうはっきりした色は判るし、だいたい信号は並ぶ順序が決まっているので間違うことはない。支障なく運転もしている。
  外を見たらいつの間にか青かった空を重たげな雲が覆い隠してしまった。やはり秋には青い空がよく似合う。
  (先週はブログの更新をしませんでした。今週も意欲がわきません。どうしようかと窓の外に目を向けたら、窓半分を占める欅の大木が目に飛び込んできました。というわけでこんなつまらぬ自己開示になってしまいました。)

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