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てげてげブログ
2009-02-26

41)ひっとべ 09.2.26

 鹿児島の片田舎で生まれ、高校を卒業するまでそこで育ちました。今思うと、鹿児島の風土やものの考え方には、他所にない独特なものがあるような気がします。幼い頃にそんな空気の中に浸り、折につれて教えられてきたそれらの考え方や生きる姿勢は、私のその後の生き方に大きな影響を与えてきように思います。そして良きにつけ、悪しきにつけ、いまだに私の中に生きています。

『なくよか、ひっとべ』
 崖の上で数人の悪童どもが度胸試しをやっています。一人の小さな子供が、今にも泣き出しそうな様子で迷っています。崖の上から跳ぶのは怖い、しかし弱虫と笑われたくはない。ええい、跳んでしまえ、泣いて恥を晒すより跳んでしまえ。あとはなんとかなるさ。
 「迷う時にはやってみろ、やってまずかったら次の手を考えろ」というひっとべの精神は、これまで色んな場面で、そして様々の岐路で、私の判断のよすがになってきました。

『てげてげ』
 標準語なら「いい加減」と言い換えてもよいかもしれません。しかし、いい加減という言葉には何か無責任な臭いがあるように思います。てげてげは丁度ほどよい程度というニュアンスです。なにかにつけ、よく「てげてげにしとけ」と教えられて育ちました。
 喧嘩しても徹底的にやっつけてはいけない、ホコの納め時を考えろ。物事は細か過ぎてもいけない、大雑把過ぎてもいけない。調子に乗り過ぎると必ず反動がくる。派手に儲け過ぎると目を付けられる。あのホリエモンさんもてげてげにしておけば、罪びとにならずにすんだのかもしれません。

『ぎをいうな』
 議を言うな、です。多弁な男はめめしいと考えられていました。理屈を言う男、議論をする男は嫌われました。言い訳などは最低の男のすることです。
 現代、グローバル社会の中で、これはあまり褒めた教えではないかもしれません。主張すべきは主張する、自分の立場や考えはきちんと相手に伝えて議論する、というのが新しい生き方でしょう。
 しかしいまだに私の中には、『ぎをいうな』の教えが、でんと居座っているのです。

 天国の親父から怒鳴られそうです。つまらぬ講釈はてげてげにせえ、です。
 そんなことよりも、篤姫のふるさと鹿児島へ、『いっど、おじゃったもんせ。かごっまはよかとこごあんど』

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