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てげてげブログ
2008-10-31

5)自分捜し 2008.10.31

 職に就かず、自分を捜す若者が多いと聞きます。そのうちには自分にぴったりの仕事や生き方がどこからか降ってくるというのでしょうか。
 キャリアカウンセリングの世界にも、自己理解と仕事理解という言葉があり、非常に重要な概念です。自己理解というのは自分をみつめ、自分の適性や能力、興味、価値観等の自分像を明らかにすることです。仕事理解というのはその仕事の内容、必要な資格や要件、労働条件、将来性等を知ることです。この二つをマッチングさせるのが仕事選びです。
 自分の能力や興味にマッチした仕事に就くのがハッピーなのは言うまでもありません。しかし毎週大学生の相談を受けながら、ことはそれほど単純にはいかないような気がしています。
 自分を知るということ自体が難しいことです。というより、意外と人は自分を知らないことが多いのかもしれません。会社の人事異動で、全然関心の無かった仕事に変わり、そこで能力が花開いて大きな業績を上げているという例は少なくありません。
 仕事にしても、資料等で調べられる範囲には限界があります。仕事を続けていく上では、仕事の中身もさることながら、本人とその組織との相性が非常に重要な要素になります。その企業の社風とか人間関係とか仕事の運び方とかは事前には殆ど分かりません。就職してから、自分との相性の悪さに気付き、悩むことになります。
 仕事選びがいくらか賭け事に似ている-----とまでは言いませんが、事前にいくら調査したとしても、こんなはずではなかったという事態がいくらか発生するのは避けられません。であるなら、自分捜しのために余りにも思い悩むよりは、運を天に任せて「えいやっ」と決めてしまったらどうでしょうか。
 その上で就いた仕事を好きになる努力をしてみたらどうでしょうか。組織風土に自分をなじませてみる、相性を合わせる努力をしてみたらどうでしょうか。自分では気付かなかった意外な能力が開花するかもしれません。こちらが好きになるとむこう(仕事)もこちらを好きになるかもしれません。
 職業生活で最も大事な旬の時期に、職にも就かず、自分捜しをしている若者達は、本当に自分を見つけることができるのでしょうか。

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